ペットボトル |
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小さな滝ノ下
捨てられたペットボトルがカラカラと廻る いつかは流されて下流に行くのだろう いつまでそこにいるのだろう すぐそばには桜のつぼみ 明日にも花開くかもしれない 捨てられたペットボトル いつまでそこにいるのだろう |
カラス |
街中にカラス
真っ黒で、ゴミを荒らし 嫌われてる それは自然界にエサ場が無くなったから エサ場が無くなったのは人間のせい カラスに生まれたのは カラスのせいじゃない |
晴れの日、雨の日 |
よく晴れた日に公園を歩いていると
雨の日のことなんて忘れてしまう 靴を濡らしたことも 傘を貸してもらったことも 人は晴れの日には雨の日のことを 忘れてしまうものらしい 忘れてしまっていいのだろうか |
理性 |
父母から受け継いだのでしょうか
遠い過去からの宿命でしょうか 人々の心の奥底で荒れ狂うのは 人類の定めでしょう 世界の主になりたいのでしょうか ただ空腹なだけなのでしょうか 尊敬している女性すら 引きずりおろそうとして 知識への果てない探求心さえも 出世への手管へと変わってしまいます ただここに闘争だけがあるのです 理性という剣を青眼に構えて 野性のひとびとに ドン・キホーテと嘲られても ただここに闘争だけがあるのです 理性という剣を青眼に構えて |
朝を待つこと信じること |
きのうまでつぼみだった
今朝ほととぎすの声に誘われて 表に出てみたら 桜が咲いていた 咲く事なんて忘れていたけど 生きているとこんな喜びが ひょっこり現れる つらい夜を過ごした後の 朝には何か待っているかもしれない 今日でなくても明日 明日でなくても来週 忘れていた良いことが 朝には何か待っているかもしれない いつの日かきっと 順番がまわってくると 希望を持った方がいいんだよ 希望を持つことそのものも幸せなんだから |
旧友去り行くとき |
君は笑った
大きな声でガハハハと 久々の君は もう昔の君ではない 共にあれほど悩んだのに 君は何も学ばなかったのか 君は笑った 大きな声でガハハハと 酒の飲めない僕 気づかう君はもういない 共に悩んだ時代に 君は何も学ばなかったのか 悩んだ自分をきれいに忘れ 君は粗野なおばさんになった さようなら我が古き友 君はもう君ではなくなった |
雨降りの朝に |
明け方の悪夢
早朝の雨 きのう別れた君と僕 雨音が少しずつ 僕の心を削っていく 湿った雨の日の空気 僕は空気を入れ換えたくなる 窓を開けた 虹 天気雨だったんだ 入れ換えるべきなのは 空気でなく気持ちだったんだ 今日は僕の新しい一日 きっとそうしてみせる 今日から君はただの過去 きっとそうしてみせる |
ブナの木に花が咲いたよ |
ブナの木に花が咲いたよ
山奥の峰をいくつも越えたところで 久しぶりに見たその花はとても可愛かった 昔、家の近所で見られたという 樹齢800年の古木は 伐採されて3万円の材木になった この花を見られたことを 今は喜んでいよう このブナの木も いつ伐採されるかわからないけど この花を見られたことを 今は喜んでいよう 次はいつ見られるか わからないのだから |
こいごころ |
窓を開けると
春の風の中に恋の香りがした まだ見ぬあなたが どこかで息づいている まだ見ぬあなたは どこで何をしているの もしかしてもう逢ったのかな 年上かな 年下かな 僕は今日も いつあなたに出逢ってもいいようにと 心の準備をしているよ あなたに渡す心の中の花束を 今日も綺麗に保つ努力を あなたのために続けている |
朝 |
どんなにつらい日を送っても
どんなに楽しい日を過ごしても 時が来れば必ず訪れる すべての人に 一様に 昨夜の最高の手紙も 振り返ればただ恥ずかしかったり 疲れて混乱しきった袋小路も 一晩眠ってすっきり通れたり 些細な一言に激怒したあの娘も 翌朝には水に流してくれたり どんなにつらい日を送っても どんなに楽しい日を過ごしても 時が来れば必ず訪れる すべての人に 一様に 朝はすべての人の宝箱 |